島根県 海士町・中里地区リノベーション

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ブランディング
空間デザイン
グラフィック
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商品

実際、雑誌やテレビでいいように書かれていても、そこに住む人に話を聞いてみると 「デザイナーが勝手にかきまわしていっただけだ」等の被害者的な意見が聞かれることが多い。

ここ半世紀はデザインといえば都市がクローズアップされてきたが、 ここ5-10年は地方におけるデザインが流行している。
過疎がすすむ地域でデザインのできることはたくさんあるが、私たちは“いいこと”してあげるみたいな姿勢が どうも気に入らないという気持ちがあり、あまり積極的には関わろうとしてこなかった。
しかし、この海士町という離島(人口2400人、本島よりフェリーで3h)は、そこに住む人の人間性にかなり魅了されたことや、 そして何より自分にとっての学びがそこにあったためにここ数年間、関わり続けている。

簡単に海士町のことを紹介すると、
まず過疎がすすんだ地域が補助金を使ってやることは
①ゆるキャラをつくる
②B級グルメをつくる
③アートによる町おこし だけれど、海士町はどれもしていない。

その代わりに海士町がしたことは
①高校の生徒数減少に伴い、廃校になりそうだった高校に島留学というアイデアで日本全国から生徒を集めることに成功
②キャスという細胞を生かしたまま冷凍する技術を買い、海産物のおいしい期限を延命
③牛をブランド化
などなど、全てオリジナルのアイデアと決断力で、その名前は全国でも著名になった。すごいことだと思う。

繰り返すが、それを外部のコンサルタントやデザイナーに依頼したのではなく、 自分達でやったという事実はほんとうに賞賛されるべきことだ。
流行している、町おこし系の動きはだいたい失敗しているけれど、その理由はデザイナーは良かれと思ってやったとしても、 地元の方との関係が良くなかったり、また住民がそこにある問題をしっかりと受けとめ、自分たちがなんとかしようとしない限りは、何も変わらないからだと言っていいと思う。
実際、雑誌やテレビなどのメディアでいいように書かれていても、そこに住む人に話を聞いてみると 「デザイナーが勝手にかきまわしていっただけだ」等の被害者的な意見が聞かれることが多い。

まずあるエリアをこれまでより活性化させたいということを依頼されました。

観光客がバスに乗ってやってくるのに、 そこににぎわいが創出されていない。バスに乗ってやってくる、神社に行く、お参りする、 休憩所で無料のお茶をセルフサービスで飲む、 バスに乗って帰る。
この過程で、これといったアトラクションがない、印象に残るようなことがない、 お金を使う場所がない。 それでもある一定数の観光客が来ている というのが不思議なことです。
ここでお茶をする、食事することで島を感じること、知ることのできるお店を作ろうとしています。 観光客はお金を使いたいのです。使うところを探しています。なのにそれがないというのは、観光客にも悪いと思います。

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