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1人の学生が「学費そんなに高いンや」
「なんでウチの親そんなん出してくれたんヤろ」と言い出し、疑問を持ったことが始まりです。

以下は本の序文を抜粋して転載。

homeとは家のことです。
家といえば、住まい(モノ)としての家がまず出てきますが、帰る場所であったり、帰りたくない場所であったりする(コト) ところの家の存在もあります。だから屋根があればhomeというわけではありません。それはhouse。 概念としてのhome は例えばスポーツの用語によく表れていて、サッカーなどの「ホーム&アウェイ」のhome、 野球の「ホームベース」「ホームラン」「ホームに帰ってきました」のhomeなどがあります。このあたりから想像すると、 強くなれて、やっぱり帰りたい場所がhomeなのでしょうか。

このhomeの制作は、1人の学生が「学費そんなに高いンや」「なんでウチの親そんなん出してくれたんヤろ」と言い出し、 疑問を持ったことが始まりです。それは4年前の出来事で、homeシリーズも4冊目の出版になりました。芸術大学というと、 才能やセンスや新しいことがクローズアップされがちな印象がありますが、最近は本来あるべき姿に戻っています。 つまり足元を見つめること、もう一度よく見ること、といった基本的なことを大切にするような傾向があります。
芸術は人が注視しないものごとに光をあてる仕事です。 その意味で、この本は学生自身が、自分の足元(home)を見つめ直した結果です。

本文には、学生が自分で自分の親に「なんで高い学費出してくれたの?」と聞いた答えがそのまま載っていますが、 考えてみると、そんなことを自然に聞ける人と聞けない人がいます。また自分の想いや考えを上手に言葉にできる人もいれば、できない人もいます。自分の子どもに聞かれなかったら、それを言わなかった人も、 メールだから書けたかもしれない照れるセリフもありそうです。 離れて暮らしているから見えたこともあったのではないでしょうか。 もちろん、断る人もいます。 だからここに載っている文章は、とてもナイーブで変わりやすく、うつろいやすい言葉なのだと思います。 そして、それは、親子の間にまだまだ隠された気持ちと言葉がたくさんあることを示唆しています。
それは知っても知らなくてもどちらでもいい、知るのがいいのか知らない方がいいのか判断できないことがたくさん。 ただ、それがあるというだけで、ぼくたちは明日もがんばって生きる権利があるという気がします。

この本は、学生の疑問から始まって、そういう本になりました。

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