京都芸術大学 ガイドブック2021
- 京都芸術大学
- アートディレクション, イラスト, コピーライティング, ブランディング
- 2020
京都芸術大学には学生募集のためのメインツールが2つある。
1つはmymymyシリーズ(在学生だけにフォーカスした正直なもの)もう1つがこのガイドブック(大学の整理された全体像を高校生と親御さんに伝える)。
mymymyシリーズが思い切り振り切って、学生の日々やディテールをつぶさに伝えているためにガイドブックは、より大学の発信したい情報や、客観性が求められる。
とはいえ、この種の媒体においては、どんな企業も大学も「より良く見せたい」と思ってしまうことでだいたい同じような構成、写真のトーン、デザインになりがちである。そしてそれが“パラパラ見てすぐ捨てられる”ことに繋がっていると思われる。
このガイドブックは、情報を詰め込みたくなる大学を制御し、できる限り余白を多くとることをデザインの分かりやすい軸として編集チーム、デザインチーム共に意識している。
毎年、あってもなくてもいいような「テーマ」も設定しており、これはチームで出し合ったものから選ばれる。
その選ばれたテーマに基づいて、冒頭のあいさつ文が書かれる。
これは大学内の編集チームが大きく言いたいことをカチカチの文章で送ってきたものを元の文など影も形もないようにして、仕上げるのが私たちコピーライターの仕事である。
イラスト、写真、デザイン、編集、コピー、すべての仕事を大学関係者(社員、教員、在学生、卒業生)でまかなっているのは、さすが芸術大学というところだろう。
*2021年テーマ:MIND THE GAP
*冒頭文:
大学と社会の間にはギャップがあります。
4年間大学で学んだことを
社会でサバイブするためにどれくらい活かせるか。
そういう意味でのギャップは昔からずっとあります。
たくさん教えたいと教員は思っています。
でも「教えられる」と自分で考える力がつきません。
サバイブするために自分で考えるようになってほしい。
自分で社会を見て、おかしいことに気づいてほしい。
どうすれば、社会をよりよくできるか、一緒に考えたいと思います。
「教える」「学ぶ」を超えて、「一緒に考える」。
その教育方針にシフトするために、
学生が前のめりで参加できる授業や取り組みを毎年、再構築しています。
時代と環境が、これまでにない速度で変化する中で、
これまでの大学教育が問われ、疑われていると感じます。
京都芸術大学は、常に自分たちの教育を疑ってきました。
疑うことで、社会と大学のギャップを埋めようとしています。
それは大学の仕事です。
学生は、「なりたい自分」と「今の自分」の間のギャップに気づくのが仕事です。
その距離や近づくための方法を考え、試してみる。
まずはギャップを明確に把握することから始めます。
そのための環境が京都芸術大学です。
同シリーズ
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>京都芸術大学 ガイドブック 2020
>京都芸術大学 ガイドブック 2019
>京都芸術大学 ガイドブック 2018