シダレミュージアム

実際に行ってみてもらうことしか、
この魅力を伝えることはできないと思った。

六甲山上にある「六甲ガーデンテラス」で行われたアートイベント「シダレミュージアム」のビジュアル・ロゴタイプ・イラストレーションを担当した。

この「シダレミュージアム」のメイン会場であり、目玉は「自然体感展望台 六甲枝垂れ(ロッコウシダレ)」。ここを舞台に、5人のアーティストが作品展示を行った。このロッコウシダレは、建築家・三分一博志氏の設計によって、2010年に、六甲山頂に作られたものだ。
コンセプトではこう書かれている。「自然循環の仕組みや六甲山の歴史を紐解き、六甲山の自然そのものがアートとして体感できるよう設計された展望台」。多くの人がこれを読んでも、何のことかわからないと思う。
興味深かったことは、この企画の責任者となる方も「ここに配属になったとき、なぜ、ここに、このロッコウシダレができたか、不思議だった」という率直な感想を聞かせてくれたことだった。私たちは肩肘はらないアイデアで勝負しようと思った。

最終的に決まったメインヴィジュアルの案は、これもまた責任者の方の一言から思いついた案で、「意外と、六甲枝垂れが山の上にある、ということが知られていない」という言葉だった。
ロッコウシダレが何かを説明しても、きっと伝わらない。ならば、とにかく山の上におもしろいアートがあるぞ、ということだけでも伝えることができたら、みにきてくれる人はいるのではないかと思った。

六甲枝垂れの中に実際に入ってみると、その神秘さに驚くと思う。ただ、この魅力については言葉で伝えることはとても難しい。そして広告上で、ヴィジュアルで伝えることも、難しいと思う。ぜひ、六甲山頂を目指して、実際に自分で体験しに、行ってみて欲しいと思う。

シダレミュージアムの会期:2022年8月27日(土)から11月23日(水・祝)

Illustration : 鎌田 咲

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