鍵善良房 本店のメニュー表
300年以上の歴史を持つ老舗和菓子屋のメニュー表。
京都・祇園で300年以上の歴史を持つ老舗菓子店・鍵善良房の店舗内外におけるメニューのグラフィックデザイン。
大きな赤い暖簾をくぐると現代とは思えないほど薄暗い店内(この暗さがまた良い)に季節の菓子が並び、その奥には(明るく)静かに時が流れる広い喫茶もあります。
名物のくずきりは奈良・吉野葛を使い、注文を受けてから一つずつ仕上げる伝統の味。
京菓子を“文化”としてとらえ、掛け紙や栞(フリガナ)といった意匠にもこだわりながら、四季の美しさを届け続けておられます。
その歴史や「鍵善」という名前に震えながらデザインしたメニュー表は店前で目にするメニュー表が様々な客層に効果的である必要があることから、風合いがありながら分かりやすいという機能も求められました。
従来は分かりやすさを重視された結果、「写真」のメニュー表でしたがそのままで良ければ私たちにデザイン依頼されることはないわけで、勇気を持って「水彩イラスト」への変更をご提案しました。
当代店主の今西善也さんから「そやけどファミレスみたいにならんように」と一言あったことが忘れられません。
紙にはやわらかな印象を与える和紙を選び、鍵善良房 本店の佇まいに合うようにと心も配りました。
しかしながら、震えながらのデザインであったため、攻めきれず。
店主は出来上がりに満足はしていただけたようでしたが民藝運動や美とのつながりが深い「鍵善」を押し上げるものにはなっておりません。
そういうのには、やはり攻めが必要です。
震える手先を止めて、力を抜いたデザインを試みるにはもう少し長いお付き合いが必要だなと思います。


