京都芸術大学 ガイドブック 2023

京都芸術大学には学生募集のためのメインツールが2つある。
1つはmymymyシリーズ(在学生だけにフォーカスした正直なもの)もう1つがこのガイドブック(大学の整理された全体像を高校生と親御さんに伝える)。
mymymyシリーズが思い切り振り切って、学生の日々やディテールをつぶさに伝えているためにガイドブックは、より大学の発信したい情報や、客観性が求められる。
とはいえ、この種の媒体においては、どんな企業も大学も「より良く見せたい」と思ってしまうことでだいたい同じような構成、写真のトーン、デザインになりがちである。そしてそれが“パラパラ見てすぐ捨てられる”ことに繋がっていると思われる。

このガイドブックは、情報を詰め込みたくなる大学を制御し、できる限り余白を多くとることをデザインの分かりやすい軸として編集チーム、デザインチーム共に意識している。
毎年、あってもなくてもいいような「テーマ」も設定しており、これはチームで出し合ったものから選ばれる。
その選ばれたテーマに基づいて、冒頭のあいさつ文が書かれる。
これは大学内の編集チームが大きく言いたいことをカチカチの文章で送ってきたものを元の文など影も形もないようにして、仕上げるのが私たちコピーライターの仕事である。

イラスト、写真、デザイン、編集、コピー、すべての仕事を大学関係者(社員、教員、在学生、卒業生)でまかなっているのは、さすが芸術大学というところだろう。

*2023年テーマ:お気に入り
*冒頭文:
「お気に入り」を仕事にしよう

夜空に輝く星の数よりずっと多くの物事の中で、
なぜかどうしてか
今日、私の前に現れた物事。
町で、携帯の中で、テレビの中で、
出会い、その中のごくごく一部が、頭や心に残って
お気に入り予備軍になり、
私を上機嫌にさせ、友だちに教えたくなって
友だちも共感したら、もう確定。はい「お気に入り」。
そのお気に入りが、また別の物事を呼んできたり
紹介したりして、どんどんつながっていく。
今まで見えてなかった世界が、私の前に広がり始める。
新しい私になった気分。

「お気に入り」は、気軽な言葉だけど
実は、私は、お気に入りでできているんじゃないか
と思えてくる。
それがなくなると、私は私でなくなるのではないか
と思えてくる。

さて、そんな、えらい
お気に入りを「見つける側」から
誰かのお気に入りを「つくる側」へ。

それが京都芸術大学の学びです。

同シリーズ
京都芸術大学 ガイドブック 2022
京都芸術大学 ガイドブック 2021
京都芸術大学 ガイドブック 2020
京都芸術大学 ガイドブック 2019
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